赤ちゃんが生まれて1週間くらいたつと産院を退院して、おうちでの生活が始まります。赤ちゃんをおうちに迎えての生活は、ママ、パパにとって、ワクワクとドキドキの連続です。そんな時期に意外と多いのが、赤ちゃんのおへそのトラブルです。おへそがじゅくじゅくして、汁のようなものが出てくる。産院で相談したいけれど、1ヶ月健診はまだ先だし、どうしよう……。
大久保駅前・林クリニックでは、赤ちゃんのおへそのトラブルの診療を行っています。お困りの方は、ぜひ気軽にご相談ください。
この記事では、小児科専門医の院長が、赤ちゃんのおへそのトラブルについて解説します。
じゅくじゅくしたおへそは肉芽(にくげ)が原因
へその緒は、出生から1~2週間で乾燥して脱落します。その後、へその断端は、2週間くらいで薄い上皮でおおわれるようになります。上皮化が不完全だと、へその断端が乾燥せず、じゅくじゅくしてきます。透明なネバネバした液体が出てきたり、膿が出ることもあります。
へその断端が乾燥しないでいると、やがて赤くて軟らかい組織が盛り上がってきます。これを肉芽(にくげ)といいます。肉芽は細かい血管が豊富ですので、膿のような汁が出てくることもあります。肉芽ができると、自然にはなかなか良くなりません。ずっとじゅくじゅくした状態になってしまいます。
赤ちゃんのおへその管理は、「乾燥」と「清潔」が基本
じゅくじゅくしたおへそには、細菌感染を起こす危険があります。重症になると、細菌がおへそから血液の中に入ってしまい、哺乳力が低下したり、高熱が出たりします。この場合は、入院で抗菌薬の投与が必要になります。
感染を防ぐためには、じゅくじゅくしたおへそをいち早く乾燥させなければいけません。感染の徴候がある場合は、アルコールで消毒することも有効です。
じゅくじゅくしたおへそは「硝酸銀液」で治療します
治療としては、硝酸銀液で、“焼いてしまう”ことができます。硝酸銀はタンパク質を変性させる作用があります。硝酸銀液を使って、わざと化学ヤケドを起こすことで、じゅくじゅくしたおへそが白く変色して、乾燥してきます。硝酸銀液による処置は何度か繰り返し行うこともあります。
硝酸銀液での処置の際は、正常の皮膚に触れないように、注意して行います。正常の皮膚に硝酸銀液が付くと、黒く変色してしまいますが、1週間くらいで皮膚が再生して治ります。
大久保駅前・林クリニックでは、赤ちゃんのおへそのトラブルの診療をおこなっています。おへそがじゅくじゅくしているなど、赤ちゃんのおへその問題でお困りの方はお気軽にご相談ください。