当院で専門的な診療を行っている子どものアレルギーについての、解説記事をまとめました。

その他の病気の解説記事は、「病気の百科事典」からご覧いただけます。

 食べ物へのアレルギー 

  • 卵アレルギー
    卵アレルギーの原因は卵の白身を構成するタンパク質です。血液検査で“卵アレルギー”があるという結果が出ても、実際に症状が出るとは限りません。調理法によってもアレルギーの出やすさが変わります。離乳食の時期に全く卵を食べさせないと、かえって卵アレルギーになりやすいというデータもあります。卵アレルギーが心配な場合は、親御さんご自身で判断せず、必ず小児科医に相談してください。
  • 離乳食開始前にアレルギーの血液検査を受けた方が良いのでしょうか?
    食物アレルギーになる危険が高いと予想される赤ちゃんでは、どのように離乳食を進めていくか、親御さんは悩まれるでしょう。このような場合は、アレルギーの血液検査を受けることで、離乳食を安全に進める方法を、お医者さんと一緒に考えることができます。当院では必要に応じて血液検査も行っています。ただし、特異的IgE抗体が検出されても、全員が食物アレルギーを起こすわけではありません。血液検査の結果を元に、離乳食の進め方を丁寧にご説明いたします。
  • 診断が難しい牛乳・ミルクへのアレルギー
    ミルクアレルギーは、ミルクを飲んですぐにアレルギーの症状が出るわけではないので、診断が難しいです。1歳までに発症することが多く、下痢・便秘・体重増加不良などがその症状です。母乳やアレルギー用のミルクに切り替えることで症状が改善するかどうかが診断と治療のポイントになります。

 気道アレルギー 

  • アレルギー性鼻炎
    花粉症の患者さんは増えており、今や4割のお子さんが花粉症です。多くはスギ花粉が原因で、花粉が飛び始める前に治療を始めると、症状が重くなりにくいです。ダニやペットの毛によるアレルギーも、症状として鼻炎を起こします。季節に関係なく一年中起きるので、患者さん自身がアレルギーが原因と気づいていないこともあります。最近は、優れた治療薬がありますので、お気軽にご相談下さい。
  • 気管支喘息
    吸入ステロイド薬が広く普及するようになって、重い喘息に苦しむ方はだいぶ減ってきています。しかし、喘息は、命にかかわることもある病気です。長期管理のための薬は、自己判断で中止したりせず、かかりつけ医できちんとみてもらうことをおすすめします。また、乳幼児では、風邪などのウイルス感染がきっかけで喘息の症状が出ることが多いです。おとなの喘息とは異なる特徴についても解説しています。
  • 花粉症を根本から治す治療ができるようになりました
    ステロイド薬の鼻噴霧やアレルギーを抑える目薬、飲み薬は、症状を抑えているだけなので、薬を止めれば症状は再発します。アレルゲン免疫療法は、わざと少量のスギ花粉を投与してアレルギーを麻痺させ、花粉症を根本から治してしまう比較的新しい治療法です。5歳以上の子どもなら治療を行うことができ、しかも若い患者さんほど効果が高くなります。アレルギー免疫療法は、当院でも行っています。

 皮膚の症状 

  • アトピー性皮膚炎
    アトピー性皮膚炎では、かゆみのある湿疹が体の色々な場所に出て、悪くなったり改善したりを繰り返します。生後2ヶ月~6ヶ月ごろに発症することが多く、湿疹は頭や顔から始まって、体幹部や手足にも広がっていきます。年齢が進むにつれて、首、肘や膝の関節の内側に発疹の出る部位が集中してくる傾向があります。この記事では、アトピー性皮膚炎の治療のポイントを3つ解説しています。
  • 赤ちゃんのスキンケアで、アレルギーが予防できます
    皮膚には、身体を病原体から守るという重要な役割があります。さらに、赤ちゃんの皮膚が荒れていると、将来的にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを起こしやすくなることも分かっています。赤ちゃんが健康に過ごせるように、早いうちから正しいスキンケアをしてあげましょう。
  • じんましん
    じんましんは、原因が分からないことが多いです。自然に治るので、あまり心配はいりません。ただ、かゆみが強いのがつらいので、抗ヒスタミン薬を使ってなるべく早くじんましんが消えるように治療します。じんましんは皮膚の奥でおこっているので、ぬり薬は効果が乏しいです。
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