アレルギー性鼻炎では、ダニやペットの毛、花粉などを原因として、鼻の粘膜にアレルギー反応が起きます。症状として、くしゃみ、鼻水、鼻づまりがみられます。
花粉が原因のアレルギー性鼻炎は、季節性がある
花粉症は、花粉が原因のアレルギー性鼻炎です。鼻炎だけでなく、目にも、かゆみや充血といった症状が出ます。スギ花粉が原因なら春先に起きます。ブタクサが原因の花粉症は秋に起きます。
季節に関係なく起きるアレルギー性鼻炎は、ダニが原因
花粉症と異なり、季節に関係なく通年性に起きるアレルギー性鼻炎もあります。これは、ダニ、ペットの毛、ハウスダストなどさまざまな物質が原因(抗原)になります。日本では圧倒的にダニが原因のことが多いです。高温多湿な気候の日本では、日常環境の中に存在するダニ抗原の量は欧米の10倍と言われています。
抗アレルギー薬内服とステロイド薬の鼻噴霧で治療
アレルギー性鼻炎の治療には、アレルギーを抑える飲み薬を使います。症状に応じて、鼻に噴霧するステロイド薬も一緒に使ってもらいます。アレルギーを抑える飲み薬として、鼻水やくしゃみには抗ヒスタミン薬が、鼻づまりにはロイコトリエン受容体拮抗薬が適しています。
また、環境の整備も重要です。アレルギーの原因となるダニやハウスダストが家の中にたまらないように、掃除をしましょう。週に2回以上は掃除機がけをするのが理想的です。家の中が散らかっていると、すみずみまで掃除機がかけられません。整理整頓も心がけましょう。
Q&Aコーナー
Q:アレルギー性鼻炎の診断に血液検査は必要ですか?
A:血液検査で特異的IgE抗体を調べることにより、アレルギー性鼻炎の原因になる物質(アレルゲン)が突き止められます。アレルゲンとして圧倒的に多いのは、ダニです。室内環境に存在するダニは、ヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニが多くを占めます。ダニの排泄物由来の抗原Der p1 / Der f1、および虫体由来の抗原 Der p2/ Der f2に対する特異的IgE抗体が中等度以上の陽性であれば、それが原因と言ってよいでしょう。