臍ヘルニアとは、“でべそ”のことです。へその内側で、腹筋にすき間が空いていて、泣いたときなどにそこから腸などが飛び出てふくらんでいます。赤ちゃんの4%に起こる、ありふれた病気です。
2歳までにほとんどが自然に治る
臍ヘルニアは、1歳までに90%、2歳までに95%が治ります。鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)と違って、「嵌頓(飛び出た腸に血液が流れなくなる状態)」を起こすことはありません。緊急で治療を要することはまずありません。
「圧迫療法」できれいに治す
臍ヘルニアは、自然に治ります。ただ臍がふくらんだ状態が続くと、臍ヘルニアが治った後も、皮膚が余ってたるんでしまい、見た目がよくないことがあります。最近は「きれいに治る」ことを重視し、早期より臍部を上から圧迫する治療を行うことがすすめられています。
「へそ圧迫材パック」という専用の商品が市販されています。これを使って臍が飛び出ないように抑えることで、臍ヘルニアがきれいに治ることが期待できます。
お子さまの臍ヘルニアが気になる場合は、ぜひ早めにご相談ください。診察した上で、圧迫療法の方法をご説明します。
自然に治らなかったり、臍ヘルニアが大きい場合は手術
2歳を過ぎでも治らない場合は、小児外科で手術をしてもらいます。
また、臍の横径が20 mmを超えるような大きな臍ヘルニアでは、圧迫療法の効果が低いので、2歳を待たずに手術をすることもあるようです。