アレルゲン免疫療法で花粉症を根本から治す

 花粉症の原因は、鼻や目に付着した花粉を取り除こうとして、体が起こしたアレルギー反応です。アレルギー反応の結果、鼻水、くしゃみ、鼻づまりや、目のかゆみが生じます。ステロイド薬の鼻噴霧やアレルギーを抑える目薬、飲み薬を使うことで、症状を和らげることができます。しかし、これは症状を抑えているだけ(対症療法)なので、薬を止めれば症状は再発します。アレルゲン免疫療法は、アレルギー反応を麻痺させてしまい、花粉症を根本から治してしまう比較的新しい治療法です。

 大久保駅前・林クリニックでは、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)を行っています。5歳から治療可能で、保険適用となっています。重い症状に毎シーズン悩まれている方は、ぜひ一度ご相談下さい。

 

スギ花粉を毎日、舌下に投与して、アレルギー反応を麻痺させてしまう

 アレルゲン免疫療法では、花粉症の原因となるスギ花粉を含んだ薬を、舌の下に毎日1回投与します。これを毎日、3~5年間続けることで、アレルギー反応を麻痺させてしまうことで、花粉症を長期にわたって抑える効果が期待できます。3~5年続ければ、いったん治療を止めても、7~8年は効果が続くと言われています (J Allergy Clin Immunol 2010;126:969-975)

 この治療のポイントは、患者さん自身が毎日、忘れずに薬を舌下に投与する必要があることです。また、効果が出るにはしばらく時間がかかります。治療を根気よく続けていただくためには、治療の内容や期待できる効果を患者さんに確実に理解してもらうことが重要です。

アレルゲン免疫療法は子どもでも受けられます

 血液検査でスギ花粉に対する特異的IgE抗体があるかどうか調べ、花粉症の原因がスギ花粉と確定できれば、アレルゲン免疫療法が受けられます。アレルゲン免疫療法による花粉症の治療には、年齢制限はありません。薬を正しく使えれば、子どもでも治療ができます。むしろ、花粉症にかかっている期間が短いほど効果が高いので、子どものうちに治療をした方がよいと言えます。

 もし、子どもも親御さんも花粉症をお持ちなら、親子で治療を始めるのがおすすめです。毎日忘れずに薬を投与する必要があるので、親子で治療する方が、頑張れますし、薬の飲み忘れも減ります。

 治療は数年間続けることになりますが、治療を開始するのはスギ花粉症の流行していない時期、つまり6月から12月がよいとされています。花粉症でつらい思いをしている方は、ぜひ花粉症のシーズン中からご相談下さい。スギ花粉の飛散量をみて、なるべく早く治療が始められるようにします。

口の中がかゆくなる副作用が出ることがある

 アレルゲン免疫療法は、わざと少量のスギ花粉を投与して弱いアレルギー反応を起こし、アレルギーを麻痺させる治療法です。そのため、治療を始めてから1ヶ月後くらいに、口の中がかゆくなったり、腫れたり、のどがイガイガするなどの副作用が出ることがあります。70%の方が一度は副作用を経験するようです。このような副作用に対して、あらかじめ抗ヒスタミン薬を処方しておきます。抗ヒスタミン薬を飲めば、副作用が良くなることがほとんどです。副作用は治療を続けているうちに徐々に軽くなっていきますので、治療中断を余儀なくされることは少ないです。

 アレルゲン免疫療法の副作用として、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)を起こすはほとんどありません。ただ、万が一のことを考え、一番最初に治療を始める時だけ、医療機関で薬を飲んでもらいます。そこで問題がなければ、2回目以降は、家で薬を飲んでもらいます。薬は少量から開始して、少しずつ増やします。

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花粉症

花粉症の原因は、鼻や目に付着した花粉を取り除こうとして起きるアレルギー反応です。鼻水、くしゃみ、鼻づまりには、鼻噴霧用のステロイド薬が最も効果的です。症状に応じてアレルギーを抑える目薬や飲み薬も使います。

Q&Aコーナー

Q:アレルゲン免疫療法を受けられないのはどんな場合ですか?

A:心臓病、高血圧などで、ベータ遮断薬という酒類の薬を飲んでいる方は、アレルゲン免疫療法を受けることはできません。また、重い喘息の患者さんや、急性感染症、自己免疫疾患にかかっている患者さんも、アレルゲン免疫療法は受けられません。
 アレルゲン免疫療法を開始する時点で妊娠している方も治療を始めることはできません。ただ、すでにアレルゲン免疫療法を受けている方が妊娠するのは問題ありません。

Q:アレルゲン免疫療法を続ける上での注意点は何ですか?

A:薬を飲んだあと、5分間はうがいや飲食はしないで下さい。また薬を飲んだ後、2時間は激しい運動や入浴は避けましょう。ご自身のライフスタイルに応じて、薬を飲む時間を決めると良いでしょう。
 風邪をひいたときや、口の中に傷があるときは、アレルゲン免疫療法はいったん中断します。風邪や傷が治ってから、アレルゲン免疫療法を再開します。

Q:スギ花粉以外のアレルゲン免疫療法はありますか?

A:ダニアレルギーに対するアレルゲン免疫療法もできます。喘息患者さんで、ダニによるアレルギーが原因であれば、効果が期待できます。スギ花粉に対するアレルゲン免疫療法と同時におこなうこともできます (Allergol Int 2020;69:104)。残念ながら、スギ花粉以外の花粉症に対しては、現在のところアレルゲン免疫療法はありません。

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