子どもに心雑音があると言われたら

 乳幼児健診や予防接種前の診察で、聴診器で子どもの心臓の音を聞いてもらった時に、「心雑音がある」と言われてしまうことがあります。心雑音があるということは、心臓病だということでしょうか?心配はいらないのでしょうか?

 大久保駅前・林クリニックでは、子どもの心臓病を専門とする院長が、心エコー検査をその場で行って、心雑音の原因を詳しくご説明します。診療時間内に直接ご来院ください。予約は不要です。お気軽にご相談ください。

心雑音とは何か

 聴診器で心臓の音を聞くと、「ドクッ、ドクッ」という心臓が血液を送り出す音が聞こえます。これは正常の心音です。この「ド」と「クッ」の間に、「シューッ」という音が聞こえることがあり、これを心雑音と呼びます。

 心臓の壁に穴があいていたり、血管に狭いところがあると、そこを血液が勢いよく通り、心雑音が聞こえるのです。心雑音がある場合、心エコー検査で、このような心臓病がないかを調べることになります。心エコー検査は、超音波を使って心臓の形を見る検査で、お母さんたちが妊娠中におなかの中にいる赤ちゃんをみてもらったのと同じ検査です。数分もあれば心雑音の原因を突き止めることができます。

心臓に病気がなくても心雑音が聞こえることがある

 子どもでは、心臓が全く正常でも、心雑音が聞こえることがあります。このような心雑音を、「機能性心雑音」とか「無害性心雑音」と呼んでいます。心エコー検査をしても異常がない場合は、機能性心雑音と考えてよく、全く心配はいりません。一般的に、3割強の人で、子どものうちに一度は機能性心雑音が聞こえることがあると言われています。

 機能性心雑音にはいくつかの種類があるのですが、どれも音に特徴があり、子どもの心臓病に詳しい医師なら聴診しただけで(心エコー検査をしなくても)機能性心雑音であると判断できます。「心雑音があるけれど、心配はいらない」と言われた場合は、その医師が、心雑音の聞こえ方から機能性心雑音で間違いないと考えたということなのです。

機能性心雑音は聞こえたり聞こえなかったりする

 機能性心雑音がある子どもでも、いつも聞こえるとは限りません。運動後や熱があるなど心臓が速く強く打っている時だけに聞こえやすくなるものや、姿勢によって聞こえなくなるものもあります。機能性心雑音があると言われたのに、別の日の診察時には心雑音は聞こえない、ということもありえます。

 また、多くの機能性心雑音は、中学生くらいになると聞こえなくなります。ただ、心雑音が消えず、聞こえたままであったとしても、問題はありません。

 もし、お子さんに心雑音があると指摘されたのに、大丈夫と言われただけで詳しい説明を聞いたことがない、という方がいれば、ぜひ大久保駅前・林クリニックでご相談ください(受診方法/アクセス)。どんな心雑音なのかがはっきり説明いたしますので、不安も解消することでしょう。

心配不要の子どもの心雑音 ベスト3

末梢性肺動脈狭窄

 これは新生児~3ヶ月くらいまでの赤ちゃんに多い心雑音です。肺動脈が左右に分かれたところから先が細いために、心雑音が発生します。病気ではなく、単に体がまだ小さいぶん、血管も細いということです。体が大きくなれば血管も太くなって、心雑音は聞こえなくなります。

Still雑音

 3歳~小学生くらいで最も多い機能性心雑音です。聴診器で聞くと、「ブーン、ブーン」と弦楽器の弦をはじいたような音が特徴的です。

静脈コマ音

 頸静脈を流れる血液が少し乱れた時に聞こえる心雑音です。座っていると聞こえ、横になると聞こえなくなります。

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