頸動脈エコー

 動脈硬化とは、血管の壁に脂肪や白血球の残骸のかたまり(プラーク)ができ、血管が狭くなってしまった状態です。高血圧糖尿病、高コレステロール血症、肥満などの生活習慣病は、動脈硬化の原因となります。また、プラークが突然はがれて血管が詰まると、心筋梗塞や脳梗塞、腎障害が起こります。

頸動脈エコーで動脈硬化の進行度が分かる

 動脈硬化は多くの病気と密接な関係があります。頸動脈エコーでは、首の部分を流れる動脈の壁の様子をエコーで観察し、動脈硬化の進行度を調べます。病気のリスクの判断や、治療効果の指標として役立ちます。

 血液は、心臓から大動脈に送り出されると、枝分かれした血管を通って全身に流れていきます。総頸動脈は、左右に1本ずつあり、首と頭へ血を送る重要な血管の一つです。頸動脈エコーでは、総頸動脈と、その分枝(内頸動脈と外頸動脈)を直接観察します。頸動脈は、太い動脈の中では体の浅いところを走行するので、エコーで詳しく観察しやすいのです。

頸動脈壁の厚さから、生活習慣病の治療を調整する

 頸動脈壁の厚さ(頸動脈内中膜厚)は、総頸動脈が内頸動脈と外頸動脈に分岐する5~10 mm手前で、その後壁の厚さを計測します。年齢と性別ごとに決められた基準値と比べて、動脈硬化の進行度を調べます。

 頸動脈壁の厚さは、多くの生活習慣病と関連することが分かっています。生活習慣病が重症なほど、頸動脈壁も厚くなります。頸動脈壁の厚さは、生活習慣病の管理や治療が十分かどうかを判断する一つの手がかりになります。場合によっては治療を強化することも考えます。

 また、高コレステロール血症や糖尿病の薬を飲むことで、頸動脈壁の厚さが改善するとも言われています。

プラークの有無と性状を知り、脳卒中の予防につなげる

 頸動脈エコーでは、頸動脈にできたプラークの様子を観察できます。厚さが1.5 mmを超えるプラークがあれば、定期的に変化がないかチェックしていきます。とくに低輝度(血管壁よりもエコーで黒く見える)のプラークや、表面がでこぼこしているプラークは、不安定である可能性が高く、プラークが突然はがれて脳梗塞を起こす危険が高いです。また、プラークにより血管がせまくなっているかどうかもエコーで調べられます。

 血管がせまいのが軽度であれば、生活習慣病の治療を強化して様子を見ます。頸動脈が非常にせまくなっている場合は、脳外科で手術(内膜剥離術)やカテーテル治療(ステント留置術)を行うこともあります。治療にあたっては、他の検査結果も踏まえた専門医の判断を要します。

参考文献:超音波による頸動脈病変の標準的評価法2017(日本超音波医学会)

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